おまけ。つまり駄作だよ!
裏というほどではないのですがコスチュームプレイということで。一応、嫌いな方はご注意を!
『ライク・ア・ドールズドリーム』
「あ、まって左近」
やめて、と切なげに息を乱した。
細い首筋に口付ける。汗ばんだ額にかかる赤い髪をよけてやれば琥珀色の瞳が
哀願するように瞬いた。
「こういうの結構好きなんですか? 」
「な、なに・・・? 」
もう話なんてできる状況じゃない。
「殿がコスチュームプレイに燃えるとは知りませんでしたよ、特別な状況でよくなるんですか? 」
「は・・・う」
耳が弱いのは知っている。熱く囁くと白い額に柳眉を寄せて顔を背けようとする。
形のいい耳介にそって舌を這わせていく。
攻められれば逃げるのがサガ。なら、追うのもまた、サガだ。
「ふっぁ・・あ」
ぞくっと身を震わせる。
「好きでしょ? ここ、」
耳たぶと、愕間接のあたり。骨振動は脳髄を揺さぶって、快楽のつぼを無遠慮に突く。
言われて三成は涙ぐんだ。
理性なんて脆いものだ。
「・・・労わりとか、ないのか、もうっ」
「ありますよー。最低限には、ね」
怯える三成の髪を優しくすいてやる。
泣いてる顔も綺麗だ。
甘やかして甘やかして突き落としてやりたくなる。
―― 縋ってくるまでは、助けてあげない。
スカートをまさぐられる状況に三成は困惑していた。
どうしたらいい?
どうすることもできない。
柔らかなフリルが踊るたびに案外大きな衣擦れの音を立てる。
「ふっうわ」
ニーハイソックスに指が差しいれられる感触に腰が引けた。
「おっおま、そこからなのか・・・」
「まずはここからでしょう。」
なに言ってんですか。的な、調子で言って左近はソックスをずり下ろしていく。
「常識、みたいな言い方するな・・・・」
「常識って言うかロマンですねぇ」
「さ、さいあく」
手際よく脱がされた靴下はフローリングに放り出された。
片方だけ裸足の足が床を掻く。
ぐちゃぐちゃにされて、ヘッドドレスはいつの間にか外れていた。
従順な使用人であることの象徴のようなメイド服。それを崩していく背徳心だろうか。
いけない、と言われればやりたくなるのが人間だ。
もう一方のニイハイソックスも、エプロンドレスも、床に放り出されていく。
最期の牙城であるかのような赤いリボン。
「なんか、・・・」
なんか怖いんだけど?
目に語らせれば、ぐっと左近の顔が近付く。
「優しくして欲しければ素直にすることです、」
「うっ」
赤いリボンが引き抜かれた。
「どうして脱げるか分かりますか? 」
「・・・わかんな・・・っ」
あえぐ三成に諭すように言ってやる。
「あなたが支配される側、だからですよ」
「!」
メイド、とは使用人。つまり支配される人間。
身も心もなりきる。とはそういうことなのか?
多分、違う気がする。
ぼんやりとそんなことを考えていた。
が、それも一瞬のこと。
激しく攻められれば何も分からなくなる。
「や・・・・あ」
左近の首に腕をまわして縋るように抱きついた。
「これに懲りたら、不審な贈り物には気をつけることですね」
「・・・わ、わかったから・・・もう、」
「だめ。」
「うぅ」
「と、言いたいとこですが、素直な殿は可愛いですねえ。許してあげますか、」
揺らめく視線をつなぎ止めるように左近は愛しい人に深い口づけを落とした。
−END−