※政宗編、と言いながら他があるのか分かりません！　

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『おいでよ佐和山』 ー  政宗編 ー
　　　
　　　　

　　　　〜Runner〜






「三成――」

会いたい。ただそれだけのために政宗は通いなれたコンビニへの道を走っていた。
着替えるのも面倒だと、制服のまま履き古したスニーカーで飛び出した。

もうすぐ夕飯どき。
さびれかけたとはいえ、商店街には人が溢れていた。
頭の上では早くも街頭が灯り始めている。両手に袋をさげたお買いものの主婦を
華麗によけて、歩みを進める。
おばちゃんの連れた小型犬にきゃんきゃん吠えられたのはちょっと心外。
だけどそれでも、

―――会いに行くんだ。

「三成、」
夏の終わりも近い。茜色の空はどことなく寂しい色になってきた。
汗ばんだ頬を冷たい風が撫でていく。


見慣れたオレンジ色の光が目に飛び込んでくる。サワヤマの看板だ。
ちなみにオレンジはコンビニ・サワヤマのテーマカラーらしい。三兄弟の制服である
エプロンも赤いストライプの入ったオレンジだ。

立ち止まって一息。
気持ちを落ち着けて。「すーはー」深呼吸。
走ってきたなんてお首にも出さないで、政宗は澄まして自動ドアの前に立った。

「いらっしゃいませー！　」
元気な声にほっとする。
出迎えてくれたのはにっこりほほ笑む青年。

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