※カップリング・そういう表現が苦手な方。義務教育中の方はご注意ください。
パラレルです。そうですねー、どちらかといと不義☆な話です。
『LINKLESS』
―――― ねえ、なんで寂しいの?
「こんなことしてると、いつか痛い目見ることになりますよ?」
男の忠告に三成は眉根を寄せた。
「分かってる。」
「そう、ですかね・・・」
男はこのところよく 三成を呼んでくれる、いわゆる上客だ。名前は確か・・・
−−島 左近。
携帯に登録した。だから忘れない。
自慢ではないが三成は他人に対する興味が人一倍薄い。
よって、何度会っても、あれ誰だっけ? なんてことはしょっちゅうだ。
けして記憶力の問題ではないのだが直す気も、さらさらなかった。
こうして現に、登録した人間の言動は些細なことまで覚えている。
(だから大丈夫。)
忘れないように。 携帯電話のメモリーは大事な保険。 興味がなくなったら忘れて
しまうから。
鳴らない携帯を三成の繊細な手が弄ぶ。 滑らかな黒いパネルの上で時折、青い光が
流星のように流れる。
車の外も丁度、同じような状態。
「綺麗でしょ?」
「うん・・」
穴場、だかなんだか知らないが左近が三成を連れてきたのは夜景スポットだった。
遊園地の敷地にはいないものの、ライトアップされた観覧車がよく見える。
色とりどりの流星。 流れては消えるそれを三成はぼうっと見つめた。
「退屈そうですね、やっぱり別のところが良かったかな」
「いや・・・そんなこと、ない! 綺麗だ」
「いいんですよ無理しなくって。て言っても三成さんは仕事だから、気も遣いますよね。」
苦笑する左近はいい男だ。
危ない男の色気を出しながら、あくまで態度は紳士的。堅気かどうかも怪しい。
まあ、三成にはもの好き、という認識しかなかったが。
左近なら女に困ったりしない。 それなのに、わざわざ男の三成を呼ぶんだから、
もの好きでしかない。
三成は鳶色の目を細める。
「夜の遊園地はなんだか、切ないから」
「え?」
「だから嫌い、なんだ。なんかトラウマみたいな・・・」
「どうしてです? 俺は好きですけどね」
「・・・もうすぐ閉演時間で帰らなきゃいけないから? 」
「なんですかそれっ」
「わ、笑うな! 」
「いや、なんかわかりますよ、それ。祭りの後の物悲しさって言うんですかね、俺にも覚えが
あります。ま、ガキの頃の話だけど」
「ガキの頃、か。」
楽しい時間はすぐ終わる。
手を引かれて帰る子供たち。 幼い夢はすぐに終わってしまうから。
「夢が覚めるとき俺はいつも悲しいよ・・・」
ねえ、なんであんたは寂しいの?
三成はホテルの天井を見つめた。柔らかい色合いの間接照明のせいで本当の色は分からない。
なんとなく手を伸ばす。
見えるのは自分の白い腕と、 ―― 島 左近。
「そうなんですか」
「うん・・・」
泣いてる。
泣いてるんだみんな。
上向いた三成の頬を透明な涙が伝う。
大人だって。 泣いてるんだね。
「俺を呼ぶのは寂しから? 」
手を伸ばしたってなにも掴めない。 なんにもないんだから。
「そうかもしれない」
「俺を呼んでくれるのはみんな寂しやつばっかりだった。 お前も・・・」
「俺も淋しいんですよ。」
「寂しいんですよ三成さん。大人はみんな。」
だから今だけは寄り添いたい。
「大人・・だから」三成は左近の言葉をただ繰り返す。
ひどく幼い、ひどく切ない言葉に左近は耳を塞ぎたかった。
名前と携帯の番号しか知らない青年の首筋に口づける。
「ははっははは」
「三成さん、」
「いい、いいから・・・」
ねえ、抱いていて。
「はぁ・・・あっん・・・」
夜が醒めないように。
寂しいから、 一緒にいても 淋しいんだ。
心が凍りつくから。
だから、今日も帰らない。
明日の朝にはまたいろんなことを忘れた俺がいるだけ
to be continued.....?
不義っ☆
三成の職業は電話一本できてくれる例のアレです。(なんだよっっ!
テ×クラとか、コールガー×とか・・・分からない人はいいんだ、汚れてはいけない。
暗いんで続きます。ハッピーエンドになるといいね〜(他力本願);
ちなみに『LINKLESS』なんて単語はないのであしからず;
〜繋がらない〜という意味で使ってみました。
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